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【屋根リフォーム】東京都江東区|湾曲したR屋根の立平屋根葺き替え工事の施工手順

湾曲したR屋根の立平屋根葺き替え工事の施工手順

 

今回は東京都江東区の戸建て住宅のR屋根の屋根葺き替え工事についてご紹介いたします。

湾曲したドーム型のR屋根を立平(たてひら)という屋根材で吹き替えました。

施工内容の紹介の前に立平葺きの説明をいたします。

 

 

立平葺きとは?

 

立平葺きとは板金だけで構成された屋根のことです。
主に屋根の素材はガルバリウム鋼板を用います。
立平葺きは「立平板金」や「縦平」「縦葺き」「縦ハゼ葺き」「竪ハゼ」「長尺屋根」「嵌合(かんごう)式立平」とも呼ばます。
一枚ものの長尺板金を縦に流して葺きます。

 

 

昔は立平葺きというと、大型建築物を対象とした屋根の施工方法として認知されていました。
しかし、現在ではモダンな意匠性も評価され、戸建て住宅で使用されるケースが増えています。

 

 

一般的な屋根材は一定の長さに決まった製品を屋根職人が現場で切り張りして、屋根に張り合わせます。
立平葺きは屋根のサイズにあわせて、あらかじめ板金工場で加工されたものを現場に持ち出します。

立平葺きは事前に加工された板金を張る作業だけで済むため、他の屋根と比べて短時間で工事が終わります。

さらに一枚ものの長尺板金で作られているため複雑な形状の屋根には適していません。

 

 

立平葺の場合、板金工場で加工されたものを現場に持ち出します。

この時の搬入手段や保管敷地、屋根の上への運搬方法など条件があります。

建物の隣に大型のトラックの駐車スペースや場合によっては釣り上げるクレーンの手配などです。

そのため、立平葺きはシンプルな切妻屋根や面積のある工場や倉庫などの大型屋根の施工に適しています。

 

 

立平葺きのメリット、デメリット

 

軽量で耐震性に優れている

 

立平葺きの重量は㎡当たり4kgととても軽量です。

屋根の重さが軽くなる事は耐震性の向上になります。

 

 

工期が短い

 

立平葺きは他の屋根材と比べて短時間で工事が可能です。
面積のある大型屋根やシンプルな切妻屋根では特に有効になります。

 

 

雨漏りのリスクが低い

 

立平は一枚ものの長尺板金のためつなぎ目がありません。

雨が侵入しにくい構造のため雨漏りのリスクは低くなります。

 

 

木材を使用しない為メンテナンス性に優れる

 

瓦棒葺きと異なり、立平葺きでは垂木(たるき)を使用しません。

金属だけで構成された立平葺きは木材の腐食の心配が無いためメンテナンス性にも優れています。

 

 

緩勾配(かんこうばい)で葺くことができる

 

一般的な屋根は最低でも2寸の勾配が求められています。

立平葺きの場合は0.2寸や0.5寸などの緩勾配に対応した製品が販売されています。
屋根勾配が原因で雨漏りが発生する住宅の改修工事に立平葺きは有効です。

 

 

断熱性能に劣る

 

立平葺きは金属屋根であるため太陽の熱が吸収されやすく断熱性能に劣ります。
快適性を確保するためには屋根裏に断熱材を敷いたり、遮熱シートを張るなどの対策が必要になります。

 

 

雨音がする

 

金属屋根のため雨音が響きます。
断熱材や遮音シートを敷くことで雨音を抑えられます。

 

 

施工条件がある

 

立平葺きの屋根はあらかじめ工場で加工されたものをそのまま現場に搬入します。
継ぎ目のない一枚ものであるため、屋根材が大型になり、搬入のためのトラックも大型になります。
周辺の道路環境や荷降ろしのスペースなどが必要です。

 

 

立平葺きでの注意点

 

今まで立平葺きは工場や倉庫などの大型屋根で使用されることがほとんどでした。

最近では新築戸建て住宅でも屋根の標準施工に取り入れられています。

木材を使用しない優位性があるため、瓦棒葺きのポジションが立平葺きに置き換わっています。

 

立平葺きの工事の場合、特に注意しなければならないのは施工業者の選定です。

立平葺きは豊富な実務経験と高い技術が必要な専門性の高い工事です。

 

 

俯瞰撮影ビフォー⇒アフター

 

 

施工前⇒施工後とドローンで撮影させていただきました。

経年劣化で傷んでいた屋根も新築のような仕上がりになりました。

 

 

 

 

 

手順① 既存屋根材、役物の取り外し

 

既存の屋根材の状態です。

この屋根材をすべて剥がして新しい屋根材を葺いていきます。

 

 

今回のR屋根の場合は軒先から反対の軒先までつなぎ目無しの屋根材になります。

既存の屋根材を撤去の場合クレーンで下におろす必要があります。

 

 

既存の古い屋根材を慎重に降ろしていきます。

安全面に最新の注意を払い、必ず「玉掛け」などを有する有資格者が指揮をします。

 

 

古い屋根材と役物、取付金具を全部剥がした状態です。

ルーフィングが劣化して、部分的に穴も開いているような状態でした。

 

 

②新しい屋根材の準備

 

 

新しいガルバリウム鋼板の屋根材をクレーンで慎重に釣り上げます。

大型トラックでの搬入やクレーンの使用など通常の屋根工事よりも規模の大きな工事になります。

 

 

③防水シート(ルーフィング)の取付

 

 

新しい防水シート(ルーフィング)を軒先から順番に棟の高いところへ下から上へ順に敷いていきます。

軒先方向から上へ順に敷いていく事で雨水上から侵入しないようになっています。

 

 

④板金屋根取付

 

 

防水シート(ルーフィング)の上に新しい屋根材を葺いていきます。

 

 

R屋根の曲面に屋根材が綺麗に収まっています。

工事前の正確な採寸と板金工場の正確な加工の融合です。

 

 

 

隣どうしの屋根材を折り曲げてつないでいます。

板金工事で板の端を折曲げ継ぎ合わせることを馳継ぎ(はぜつぎ)といい、折曲げた部分を馳(はぜ)といいます。

馳締機(職人さんはガチャと呼んだりします)で馳継ぎしていきます。

 

 

 

 

ビフォー⇒アフター  

 

 

まとめ

 

今回は湾曲したR屋根の屋根葺き替え工事の施工内容をご紹介しました。

 

今回使用した立平という屋根材はつなぎ目のない1枚の板金で作られています。

立平葺きは工場で加工されたものをそのまま現場に運ぶので大型のトラックと搬入経路を確保する必要があります。

更に、屋根の上に釣り上げるクレーンの手配など通常の屋根葺き替え工事よりも規模の大きい工事になりました。

 

※このページでご紹介している施工手順や工事方法は、工事内容によって異なる場合がありますが、あらかじめご了承下さい。

 

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