【屋根リフォーム】ニチハ製屋根材パミールの判別方法とメンテナンス方法のご紹介
ニチハパミールの判別方法とメンテナンス方法
横浜地域密着の屋根・外壁専門工務店のキンドリーホームです。
「パミール」という屋根材をご存じでしょうか?
「パミール」とはニチハ社が1996年から2008年まで製造販売した屋根材です。
当時はアスベストが含まれない画期的な屋根材として主流の建材になりました。
しかし長期使用の検証が不十分なまま採用されたこともあり、耐久性に大きな問題があることが発覚しました。
パミールは7年ほどで剥離がはじまり約10年でボロボロになるものがほとんどです。
裁判やクレームも多数報告され、テレビでも報道されるような問題でした。(メーカーは製造責任を否定しています。)
現在でも現調で伺ったお客様の屋根がパミールだった事が多くあります。
約20年ほど前の主流の屋根材なので現在でもパミール屋根の住宅を多く目にするのは当然です。
13年間で撤退した屋根材ですが(推定)約300,000棟のパミール屋根が存在する(存在した)計算になります。
パミール屋根のメンテナンスは一般的なスレート屋根と分けて考えなくてはなりません。
今回はそのパミールの判別方法とメンテナンス方法をご紹介いたします。
パミールとその判別方法
パミール屋根材は化粧スレート系無石綿屋根材です。
図面などには、カラーベストコロニアル葺きと書いてあることもありますが、実際はパミールが葺かれていたということも多いようです。
図面に不燃番号NM-9269と書いてある場合、その番号はパミールの番号です。
パミールの1番の特徴はアスベストが入っていないことです。
アスベストは繊維状の物質で、セメントのつなぎ材料としてスレートの踏み割れ防止に貢献していました。
アスベストが発がん性物質で社会的問題となっていたため、アスベストの代わりになる物を各社研究していましたが、ニチハ社はパミールにアスベスト繊維の代わりにパルプ繊維等を採用しました。
パルプは軽量化かつ踏み割れ防止には効果があるのですが、水分を吸いやすい特徴があります。
この高い吸水性が後のパミール劣化問題を引き起こす要因になります。
さらに抄造法(しょうぞうほう)という製造方法で何層もかさねて形成していきます。
ミルフィーユやバームクーヘンをイメージしていただくとわかりやすいかもしれません。
層と層の間には水がしみ込みやすくパミールは水分を蓄えやすい構造になっています。
パミールが劣化すると層ごとにはがれてくるのはこの層状構造が原因です。
パミールの劣化時の特徴をまとめてみました。
層状剥離(ミルフィーユ状に剥離)が進行する。
屋根材の先端部分(縁部分)が変色、劣化する。
パミール屋根のメンテナンス方法
結論から申し上げると
パミール屋根は塗装できません。
劣化したパミールの場合、少しの衝撃でボロボロと崩れてしまうほどの強度なので塗装前の高圧洗浄で確実に崩壊します。
ぼろぼろになった屋根材に塗装はできません。
パミール屋根のメンテナンス方法は
屋根カバー工事と葺き替え工事の二択になります
パミール屋根のカバー工事での注意点
前章でパミールは水分を吸収しやすい屋根材と紹介しましたが、屋根カバー工事の場合は注意が必要です。
表面的に乾いているように見えても屋根材内部または屋根材とルーフィングの間に水分が含まれている場合があるからです。
仮に、パミール屋根材に水分が含まれたまま屋根カバー工事をした場合新しい屋根の下に湿った屋根材を閉じこめるわけですから、後にトラブルが起こることは容易に予想できると思います。
パミール屋根の劣化の進行具合にもよりますが工事前の調査をしっかり行って慎重な検討が必要かと思います。
状況によってはカバー工事の選択を外すという事も必要かと思います。
こちらもあわせて読んでいただきたい
まとめ
今回はパミールについてご紹介しました。
パミール屋根のリフォームを計画中の方に参考にしていただけたらと思います。
横浜市のキンドリーホームへご相談ください。
最適なご提案をさせていただきます。
LINEでの見積依頼・お問い合わせはこちらをクリック