【屋根リフォーム】屋根カバー工事をおすすめする場合とその理由
屋根カバー工事をおすすめする理由とメリット、デメリット
屋根カバー工法とは、既存の古い屋根材の上に軽い屋根材を張ってかぶせる工事方法のことです。
重ね葺き工事とも言われています。
古い屋根材をはがして処分する手間と費用がかからないので、工事費用と工事期間を抑えることができます。
一般住宅ではスレートのうえにガルバリウム鋼板などの軽い金属屋根をかぶせる工事がよくおこなわれています。
屋根カバー工事の目的
屋根カバー工法の目的は、本来屋根が持っている2つの防水機能を新しくすることです。
この2つの防水機能とは、「ルーフィング」や「下葺き材」と呼ばれる防水シートと屋根材のことです。
屋根カバー工法の最初の手順は、既存の屋根材の上に防水シートを貼る作業から始まります。
防水シートは雨水を最終的に防いでくれる大切なシートです。
防水シートを貼ったのちに、その上に金属屋根を張る手順となります。
もちろん金属屋根自体も防水機能が備わった構造になっています。
この防水シートと屋根材の2つを新しくすることで、屋根本来の防水機能を取り戻すことができます。
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差し込み葺き工事にご注意ください
「差し込み葺き工法」とよばれる工事があります。
古いスレートに金属の鉄板を差し込む工事になりますが、この工事を屋根カバー工事と呼んで販売促進されている場合があります。
この工事は本来の屋根カバー工法と全く性質や目的が異なる工法になります。
差し込み葺き工法は、古いスレートのうえに「コの字型」の鉄板を接着材で貼るだけの工法です。
したがって、防水シートは古いもののままで、新しく重ねる鉄板には防水機能が備わっていません。
結果的に防水機能は全く変わっていません。
「屋根カバー工法」と「差し込み葺き工法」は全くの別物ですので注意が必要です。
屋根カバー工事をオススメする理由
屋根のメンテナンス工事としてあげられるのが「屋根塗装」や「屋根の葺き替え工事」「屋根カバー工事」になりますが、「屋根カバー工事」をオススメする理由は大きく3つあります。
解体工事がほぼ不要で廃材がほとんど出ない
既存の屋根の上に重ねて屋根を施工するので、既存の屋根の廃材がほとんどでません。(既存の棟板金を解体するくらいです)
なので解体工事費と廃材処理費の両方が節約できます。
結果的にその分の工事費用がお安くなります。
工事期間を短く設定できる
「屋根塗装」や「葺き替え工事」よりも短い工期で施工できます。
工事期間中は近隣の方への配慮にも気を使うことがよくあります。
普段とは違った環境で生活しなくてはならないという心理的な不安もあります。
短い期間で通常の生活に戻れることは大きな利点と言えるでしょう。
工期が短いということは人件費も少なくなりますので、それだけ工事費用もお安くなります。
環境に優しい
解体工事がほとんどなく廃材も少ない為、葺き替え工事と比べるとホコリの飛散が少なくすみます。
工事は近隣トラブルに発展してしまうこともあるので、ホコリなどの飛散はとてもシビアな問題でもあります。
近隣の方々にホコリや塵などを飛散させないということもメリットの一つです。
廃材が少ないという事は運搬する量や回数が少ない為、二酸化炭素の排出削減に貢献できます。
屋根カバー工事にはデメリットもあります
工事費用が安い、工事期間が短いなどメリットが多くおすすめの屋根カバー工事ですがデメリットもあります。
屋根が少し重くなる
耐震性能を考えた場合、屋根は軽い方が有利です。
屋根カバー工事ではこれまでの屋根を撤去しないで、その上に新しく屋根を被せるため屋根全体が少しだけ重くなります。(この重量増加は耐震性能への影響は軽微とみなされています)
そのため、被せる屋根はガルバリウム鋼板などの軽い金属屋根材が一般的によく使われます。
カバー工事に向いていない屋根もある
瓦屋根はカバー工事に向いていません。
瓦屋根のように波立っている形状の屋根にはカバー工事は施工できません。
そもそも瓦屋根は重いので、重量が増加するカバー工法は適していません。
屋根の劣化状況で工事できない場合もある
屋根の下地が劣化していた場合は、屋根カバー工事は行えません。
仮に劣化した状態で屋根カバー工事を進めてしまい、後に劣化した下地にトラブルが起こった場合、カバーしたの屋根と従来の屋根、二重の屋根を剥がさなければならず、大変手間がかかり費用かさんでしまいます。
また、雨漏りが生じている屋根も屋根下地が傷んでいることが多く、屋根カバー工事を避けたほうがよいでしょう。
カバー工事が適しているかどうかは、まず現状の屋根の状態をしっかりと調査した上で判断します。
まとめ
今回は屋根カバー工事をおすすめする理由についてご紹介しました。
屋根カバー工事のメリットはたくさんありますが、屋根カバーをお勧めできない場合もあります。
その判断には必ず屋根の現状の調査が必要になります。
屋根カバー工事を検討中の参考にしていただけたらと思います。
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