防水塗装の浮きとは?下地や施工不良の原因と予防・補修方法
防水塗装の浮きは、建物の美観だけでなく、耐久性にも影響を与える悩ましい問題です。
なぜ防水塗装が浮いてしまうのか、その原因を知ることは、建物を長持ちさせるための第一歩となります。
今回は、防水塗装の浮きの主な原因を掘り下げ、それらを未然に防ぐための予防策、さらには万が一発生してしまった際の補修方法について解説します。
防水塗装の浮き原因とは
下地や水分の影響
防水塗装が浮き上がる原因の一つとして、下地や湿気の影響が挙げられます。
下地処理を行った後、十分に乾燥させないまま塗装を進めると、下地に閉じ込められた水分が蒸発する際に水蒸気となり、塗膜を押し上げてしまうことがあります。
また、下地自体の呼吸によって空気が押し出されたり、塗膜に亀裂が入ってそこから水が浸入したりすることも、防水層の下に水分や空気が溜まる原因となり、浮きにつながります。
施工不良による密着不足
塗装作業における施工不良も、防水塗装の浮きの大きな原因となります。
特に、プライマー(下塗り材)の塗布が不十分な場合、下地がプライマーを吸収しすぎてしまい、本来得られるべき密着効果が得られなくなります。
これにより、下地と防水塗膜の間の接着力が低下し、剥がれや浮きが生じやすくなります。
また、塗布した材料同士の密着力が弱まるような工程の遅延も、浮きの発生を招く要因となります。
塗料の乾燥不良
塗料の乾燥が不十分なことも、防水塗装の浮きを引き起こします。
特に、一度に厚塗りしすぎると、塗膜の表面だけが先に乾いてしまい、内部はゲル状のまま乾燥が進まず、水蒸気や塗料の反応ガスが抜けきれなくなります。
このような場合、内部のガスが固まった塗膜を押し上げ、浮きが発生します。
また、2液型塗料の場合、1回目の塗布後、規定の養生期間を置かずに2回目を塗布すると、同様に反応ガスが抜けきれず、浮きの原因となることがあります。

防水塗装の浮き予防策
確実な下地処理と乾燥
防水塗装を長持ちさせるためには、事前の下地処理が非常に重要です。
塗装面の凹凸をなくし、汚れや古い塗膜などを除去した上で、下地が十分に乾燥していることを確認してから塗装を開始しましょう。
プライマーを塗布する際も、下地がプライマーをしっかりと吸い込み、濡れ色になるまで複数回重ね塗りすることで、強固な密着性を確保することが大切です。
通気工法で湿気対策
湿気や水分の影響による浮きを防ぐためには、通気工法の採用が有効です。
特にウレタン防水などでは、下地と防水層の間に「通気シート」を敷き、さらに「脱気筒」を設置する通気緩衝工法が推奨されています。
これにより、建物内部や外部の温度差による結露、または下地に蓄積された湿気や水分を、通気シートや脱気筒を通じて外部へ効率的に排出することができます。
適切な塗装手順の遵守
防水塗装を成功させるためには、各工程で定められた手順を正確に守ることが不可欠です。
プライマーの塗布間隔や、塗料の「上塗可能時間」を厳守することは、材料間の密着力を維持するために重要です。
また、塗料の厚塗りも乾燥不良の原因となるため、カタログや仕様書に記載された規定量を守り、必要であれば複数回に分けて塗装するようにしましょう。
1回目の塗布後の養生期間を十分に確保することも、内部のガスをしっかり抜くために必要です。
浮きが生じた防水塗装の補修
不良箇所の除去と補修
万が一、防水塗装に浮きが発生してしまった場合は、速やかに補修を行う必要があります。
まず、浮きが生じている箇所をカッターなどで丁寧に除去し、下地の状態を確認します。
下地に簡易的な補修を施した後、プライマーを塗布し、乾燥させます。
その後、防水材を塗布して補修箇所を仕上げます。
2液型塗料の場合や、原因によって使用するプライマーや補修材が異なる場合があるため、専門家のアドバイスを参考にすると良いでしょう。
部分的な防水シート施工
浮きが生じた箇所の補修方法の一つとして、部分的な防水シートの施工が挙げられます。
これは「パッチ補修」とも呼ばれ、不良箇所を除去・補修した後に、その部分に防水シートを貼り付け、さらに上から塗膜防水材などで仕上げる工法です。
この方法により、浮きが生じた箇所をしっかりと保護し、雨水の浸入を防ぐことができます。
ただし、防水層の種類や状態によって最適な補修方法は異なりますので、専門業者に相談することが重要です。
まとめ
防水塗装の浮きは、下地や湿気の影響、施工不良、乾燥不良など、複数の要因が複合的に絡み合って発生します。
これらの原因を理解し、確実な下地処理、通気工法の採用、そして丁寧な塗装手順の遵守といった予防策を講じることが、浮きの発生を防ぐ鍵となります。
万が一、浮きが発生してしまった場合でも、不良箇所の除去や部分的な防水シート施工など、適切な補修を行うことで建物を保護することが可能です。
定期的な点検と早期の対応が、防水塗装の寿命を延ばし、建物の健全性を保つために重要です。
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