【屋根】釘が抜けている?その状態と対処方法を詳しく解説いたします
屋根の釘が抜けている?その状態と対処方法を解説いたします
まず初めに屋根の釘抜けはどのお宅でも起こりうることです。
屋根の釘が抜けていることに気づく方はわずかだと思います。
ほとんどの場合が飛び込みの業者の指摘で気づく事が多いかと思います。
今回はこの「屋根の釘抜け」問題について解説していきます。
屋根に釘が使われている箇所
多くの屋根の特にスレート屋根の場合、板金の固定は釘が使われています。
特に棟板金の釘の抜けはよく目にする症状です。
瓦屋根の場合、棟瓦が釘やビスで固定されている事があります。
屋根を構成しているパーツの板金は一般的に釘で固定されているものがほとんどです。
屋根の釘が抜ける原因
屋根の釘は経年で徐々に抜けてきます。
棟板金の場合、熱膨張の繰り返しで少しずつですが釘が抜けてきます。
釘が抜けてくると板金のアソビ部分ができ、強風などの影響でさらに釘は抜けます。
釘が根元まで入っていないと板金内部に雨水が侵入する確率が高くなります。
雨水が板金内部に侵入すると内部の木製の貫板は劣化します。
貫板が劣化する事で釘の「効き」が悪くなりさらに抜けやすい状態になります。
釘が抜ける症状があるという事は同時に貫板の劣化、棟板金の破損や変形も考えられます。
釘の抜けに気付いたり業者に指摘された場合は一度屋根全体、もしくは棟板金の点検をしてみるのも良いかと思います。
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屋根の釘抜けで雨漏りになる?
インターネット上の情報では飛び込みの業者は「釘が抜けていると雨漏りになりますよ」と不安を煽るみたいです。
「釘抜け」が原因ですぐに雨漏りにつながるとは考えられません。
さすがに長い間放置していれば最終的に雨漏りに繋がると思います。
雨漏りまでの流れは下記の感じです。
棟板金の釘抜け
↓
棟板金の変形、浮き上がりで雨水の侵入
↓
雨水の侵入によるルーフィングの劣化
↓
ルーフィングの機能不全
↓
建物内部に雨水侵入
屋根材の下に敷いてあるルーフィング(防水シート)が正常に機能さえしていれば雨漏りの可能性は少ないと思います。
釘抜けによる雨漏りよりも強風による板金の破損の方が可能性としては大きいと思います。
余談になりますが…
地面から屋根を見上げて棟板金が見える事は稀です。
建物の立地にもよると思いますが棟板金が見えたとしても釘が抜けているかまでは目視で確認はむずかしいと思います。
私の場合はドローンで接近して、または直接屋根に登って発見する事がほとんどです。
実際に見ていない(見えていない)ものを「釘が浮いている」と指摘し不安を煽っている可能性がありますのでご注意ください。
屋根の釘が抜けた場合の対処法
前項ですぐの雨漏りの可能性を否定はしました。
しかし雨漏りしないからといって修理しないのはいけません。
釘の抜けが酷い場合、台風などの強風で破損したり吹き飛ばされる可能性があります。
屋根の釘抜けを指摘されたらまず初めに信用できる業者に確認してもらうのがよろしいかと思います。
キンドリーホームの場合、基本的にドローンを使用して点検していきます。
お客様の心配している箇所以外も棟板金をはじめとした屋根全体の状態や屋根材の状態を細かく確認しています。
ドローンとはいえテレビアンテナの固定用ワイヤーなどで点検箇所に接近できない場合もあります。
状況にもよりますがご依頼者様に断りをいれたうえでハシゴで屋根にのぼって目視で確認する事もあります。
確認後、釘抜けの有無、破損の状況など総合的に見て最適な修繕方法をご提案いたします。
軽傷であれば釘の打ち直しと釘の頭のシーリングで解決します。
棟板金や貫板にまで劣化がおよんでいる場合は棟板金の交換になります。
釘の打ち直し
棟板金内部の貫板の劣化が無く釘が「効く」場合は釘の打ち直しで対応します。
ハンマーで浮いている釘を根元までしっかり打ち直します。
打ち直して平らになった釘の頭部分にコーキング剤などを塗って今後抜けにくくします。
貫板の交換・棟板金の交換
木製の貫板が腐食などで劣化が激しい場合はどんなに釘の打ち直しをしても釘が「効かない」状態です。
釘を打ち直して釘が効いていない状態でコーキングをしたとしてもいずれまた釘が抜けます。
この場合は劣化した貫板の交換で対応します。
貫板を交換するためには一度棟板金を取り外さなければいけません。
通常は棟板金の交換作業と貫板の交換作業は同時に行います。
棟板金交換作業の工程のなかに貫板の新設が含まれていると思ってください。
一度取り外した棟板金が変形も破損もない場合は取り外した棟板金を再利用する事もあります。
この棟板金をすべて取り外していきます。
棟板金の内側に貫板があります。
棟板金と貫板を取り外した状態です。
取り外した貫板と棟板金です。
雨水の侵入で劣化して変色した貫板が確認できます。
新しい貫板を設置していきます。
写真の黒いものが新しい貫板になります。
通常の貫板は木製ですが今回は樹脂製の「タフモック」という貫板を使用しています。
貫板を木製から樹脂製に変更する事で貫板の腐食の心配が無くなります。
若干お値段が上がりますが木製貫板から樹脂製貫板に変更する価値は十分あると思います。
新しい棟板金を設置して釘で固定していきます。
この時、釘をビス打ちに変更する事で釘抜けの心配は極端に減ります。
さらに使用するビスをステンレス製にすることでサビ予防にもなります。
棟板金と貫板の交換工事の場合、樹脂製の貫板とステンレス製ビス打ちの組み合わせが長期の安心につながると思います。
足場について
基本的に高所での作業は足場が必要になります。
とは言え、棟板金の釘の打ち直しの為だけに足場を組む事は考えづらいです。
屋根の形状や勾配の関係で作業に必ず足場が必要な場合もありますので詳しくはご相談ください。
余談になりますが…
キンドリーホームでは屋根塗装や外壁塗装の前に棟板金の交換や釘の打ち直しの提案をさせていただく場合が多いです。
屋根や外壁の塗装工事では必ず足場を設置します。
その足場を利用して塗装前に屋根や付帯部の破損を修理する為です。
工事に対して足場の設置回数は出来る限り少ない方が明らかに経済的です。
塗装工事の「ついで工事」にはなりますが確実に足場の有効活用になります。
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まとめ
今回は屋根の釘が抜けている状態と対処方法についてご紹介しました。
釘が抜けただけでも長い期間の放置は大きな劣化や破損に繋がります。
まず本当に釘抜けがあるのかの確認をとる事が第一です。
必ず信用できる業者に確認してもらうのがよろしいかと思います。
この記事の要点
飛び込み業者の「釘が抜けていますよ」は怪しい可能性がある。
釘が抜けている状態ですぐに雨漏りする事は考えづらい。
心配な場合は信用できる業者に屋根の点検を依頼する。
修理が必要な場合は修理を依頼する。
外壁塗装や屋根塗装の「ついで工事」にする事で経済的になる。
屋根の点検依頼や不明点などキンドリホームへお気軽にご相談ください。
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