外壁塗装の際の軒天の色は何色がいいの?軒天の塗装について詳しく解説
外壁塗装の際の軒天の色は何色がいいの?軒天の塗装について詳しく解説
軒天は建物の中でも目立つ場所ではないことから色にこだわらなくても良いと思われがちですが、実は軒天の色も建物の外観のイメージに大きく影響するといわれています。
外壁と軒天を比較すれば外壁の色にばかりに目がいってしまうものですが軒天の色はとても大切な要素となります。
日頃あまり意識することは無くても実は意外とよく見えている場所が軒天です。
一般的に家は下から見上げることが多いです。
例えば道路から家を見た時、正面ではなく下から家を見ることになります。
家に出入りする時も家の下側から見上げることになります。
軒天は思っている以上によく見えている場所になります。
今回は塗装色の話題を中心に軒天の塗装について解説していきます。
軒天とは
軒天は快適で安全な生活を維持する役割を担っています。
雨水に濡れることなく玄関ドアを開ける、窓からの雨水の吹き込みがないなど当たり前のように感じられる生活が出来ているのは屋根の軒(のき)と呼ばれる部分の長さがあるからです。
そして屋根の裏側を守り綺麗に仕上げているのが軒天になります。
軒天(のきてん)は軒天井(のきてんじょう)や軒裏天井(のきうらてんじょう)とも言われます。
住宅を見上げた際に外壁から外側に突き出している屋根部分の裏側を指します。
雨水が流れていく屋根の端を軒先(のきさき)と呼ぶためその軒の裏の天井を指します。
バルコニーやベランダの裏側も同様に軒天と呼ばれます。
後述しますが軒天には様々な素材が使用されていてその素材次第で塗装が変わります。
一般的に軒の出が30~45㎝程度のお住まいが多く、玄関部分は1m角程度の大きな雨宿りスペースとして存在します。
軒天を広く設けることで様々なメリットがありますが、その分施工費用も高くなってしまいます。
近年では安くシンプルに仕上げる為に軒の出が無いつまり軒天が無いお住まいも増えてきています。
軒天を含む雨樋などの付帯部は通常外壁塗装とセットで塗り直していきますので軒天も外壁塗装の機会に塗り直すことになります。
軒天の素材とメンテナンス方法
一般的な住宅の軒天で使用される材質には「不燃材系」と「木材系」の2種類の材質が使用されています。
近年の新築のお住まいに使用されている軒天の材質はほぼ不燃材系になります。
また、木材系はほとんどの場合ベニア板を使うことが多いです。
ケイカル板(ケイ酸カルシウム板)不燃材系
ケイカル板とはケイ酸質、消石灰、補強繊維が主原料となった合成建材です。
現在では軒天に使用されるだけでなく、住宅の様々な場所に使用されるスタンダードな建材です。
不燃建築材料として認定されており軒天の建材に適しています。
さらにケイカル板は耐水性にも優れています。
同じ不燃建築材料である石膏ボードは耐水性がありませんが、ケイカル板は耐水性にも優れている為、水廻りや外回りに使用する建材として非常に適しています。
ケイカル板はベニヤ板と違い様々な素材を合成して作られた合成建材の為、衝撃で割れる可能性があります。
割れてしまった場合は部分的に張り替えるといった修理を行う必要があります。
ケイカル板もベニヤ板同様、仕上げに塗装を行います。
また、ベニヤほどの頻度は必要ありませんが、定期的に塗装を行った方が長持ちします。
通気性に優れた「有孔ケイカル板」もあります。
ベニヤ板 木材系
築年数の経った住宅に多く使用されている軒天の建材はだいたいベニヤ板です。
重量の問題もありますので軒天に使用されるのは3~5mm程度のベニヤ板が一般的です。
価格が非常に安価で、、耐水性、耐火性が低い建材になります。
ベニヤ板のまま仕上げてしまうと水分を吸収してカビが生えたり腐食をしてしまう為、塗装で仕上げるのが一般的です。
経年で塗膜が劣化し防水性、美観性が低下する為、定期的に塗装メンテナンスを行う必要があります。
天井裏の通気性を確保する為の軒天材として有孔ベニヤ板があります。
ベニヤ板に定期的なピッチで小さい穴が開けられたベニヤ板です。
軒天全てを有孔ベニヤ板にするのではなく、屋根の四つ角のみ有孔ベニヤ板にするといった部分的な使用が一般的です。
ベニヤ板にプリントシートを張り付けた化粧板も軒天に使われる建材です。
プリントシートで仕上げることで、塗装を行わずに防水対策を行うことも出来ます。
ベニヤ板とプリントシートは接着剤で接着されている為、経年劣化により接着力が低下し剥がれてしまいます。
プリント部が剥がれてきた場合は化粧板ごと張り替えるといったメンテナンス方法が一般的です。
軒天塗装に使われる塗料
軒天塗装には耐水性・通気性・防カビ・染み止め効果に優れた塗料が適しています。
主にEP(エマルションペイント)、AEP(アクリルエマルションペイント)、NAD(アクリル樹脂系非水分散型塗料)などが使用されています。
現在の流通しているエマルションペイントのほとんどがアクリルエマルション系の為、同じ意味で混同されて使用されます。
これまで軒天の塗装には水性のエマルション塗料が多く使用されていましたが、近年ではケイカル板・ベニヤ板に塗れるNADが使用されることも増えてきました。
EP・AEPの特徴
AEPのベースはアクリル成分ですが、水溶性なので水で薄めることができて安全です。
揮発性有機化合物(VOC)をほとんど含まずシックハウス対策に有効です。
NACよりも接着力が弱くなります。
NADの特徴
NADは油性塗料になりEPやAEPと比較すると接着性や耐水性に優れます。
さらにヤニ止め効果が高くケイカル板やべニア板に塗装できることから、近年の軒天塗装で使用されることが多いようです。
軒天塗装を単体で行うという事は少なく、外壁塗装とセットで塗装することが多いです。
外壁がモルタルの場合などは軒天もモルタルの場合が多いです。
モルタルの場合は外壁と同じ塗料、色で塗装するケースがあります。
軒天塗装の色の選び方
外壁塗装はどんな色を選択するのかによって建物のイメージが大きく変わりますが、軒天の色も同様です。
軒天塗装は決して軽視することはできません。
屋根や外壁の色とのバランスをよく検討しないと、きれいに塗り替えてもなんだか違和感のある家になってしまいます。
多くのお住まいの軒天は「白色」で塗装されています。
これは住宅全体の雰囲気を明るく仕上げる為です。
特にこだわりがない場合は明るい色での塗装がおススメです。
人気の色としてはやはり白系の色、もしくは外壁色よりも薄めの同系色です。
最近では軒天塗装に黒を選択される方も見られます。
白系、外壁色に近いグレー系、外壁色に近いベージュ系、黒系で4パターンの軒天のみのカラーシュミレーションをご確認ください。
建物の印象が大きく変わるのが分かりやすいと思います。
塗装できないほど劣化した場合
軒天の劣化が激しい場合塗装では対応できない場合があります。
軒天に剥がれが見られる場合や腐食が見られる場合は塗装が出来ません。
軒天材の補修が必要になります。既存軒天の経年劣化の範囲によって補修方法も異なります。
軒天増し張り
軒天の表層のみに劣化が見られる場合は、既存軒天の上に新たな軒天材を張り付ける増張り補修が可能です。
既存軒天材を処分する必要が無いため、工期短縮・費用軽減が期待出来ます。
増し張りを施工後は必ず塗装を行わなければなりません。
増し張りで部分的な修理+軒天全体の塗装が効率のよいメンテナンス方法かと思います。
軒天張り替え
軒天から雨漏りしている場合は軒天材が腐食しています。
腐食以外にも破損が激しい場合は張替え工事が必要になります。
腐食した軒天材と下地木材を撤去して新しい下地と軒天材で施工していきます。
増し張りと同様に施工後は必ず塗装を行います。
張り替えた部分の色と既存軒天の色の違いが気になる場合は軒天全体の塗装をおススメします。
軒天張り替えの施工事例をご確認ください
まとめ
今回は軒天塗装とその色決めについてご紹介しました。
一般的に外壁塗装時には軒天の塗装もセットで提案されます。
基本的には「白系」など白に近い色で塗装されることがほとんどです。
外壁色と軒天色の組み合わせで迷った場合はカラーシュミレーションをご活用ください。
不明点などキンドリホームへお気軽にご相談ください。
最適なご提案をさせていただきます。
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